ケツ

教師からの体罰が横行していた中学時代。

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横行していたのは、教師からの体罰だけではなく、先輩からの理不尽な体罰も横行していた。

僕らが所属していた軟式テニス部には、代々受け継がれてきた技(?)があり、それは、「ケツ」と呼ばれていた。

「ケツ」とは、テニスラケットを使った体罰のひとつで、後ろ向きにさせられた後輩部員の背後から、ラケットの面を水平にした先輩が、フレーム部分でケツと太ももの間をフルスイングでぶっ叩くというものだ。

野球部でいうところの「ケツバット」のテニス部版が「ケツラケット」すなわち「ケツ」なのである。

けつ


これがむちゃくちゃ痛い。



ところで僕が一年のときテニス部には、新入部員がなんと100人近く集まった。

入学早々「テニス部が一番楽らしいで。」という噂が広まったのだ。それにしても100人て!さすが'73年生まれ、すなわち第二次ベビーブームのピーク世代である。テニスコートには、丸坊主頭の一年生がまさに芋の子を洗うようにひしめき合っていた。






さて球拾いが一年生としての最初の使命となる。

2面しかないテニスコートの後ろに100人の新入部員がずらっと並んだら・・・ほとんど玉拾いの出番が回ってこない一年がでてくる。

となるとすぐ隣りの奴とのおしゃべりが始まる。と、すかさず「ケーーーーーツ!」と甲高い声で叫びながらトチ狂った先輩部員が飛んでくるのだ。

買ってもらったばかりの自分のラケットを差し出して、先輩におしりを差し出す哀れな一年生。










ピシィッッ!!!







中にはサディストな先輩によって、ラケットを折られる子もいた。

後になってわかったことだが、あまりに多い新入生に反吐がでそうになった先輩たちが、頭を寄せ合って相談した結果、「やめさせてしまおう!」という密談が交わされたらしい。

そりゃあ100人相手に何から教えたらいいのかもわからないことだろうし、大半が「テニス部は楽らしいで。」というナメた理由で集まってきた奴らなのだ。

あれやこれやで頭に血が上った先輩たちによるラケットによる粛清が行われたのだ。







あっちで・・・







「ケーーーーーツ!」









ピシィッッ!!!







こっちで・・・







「ケェーーーーーーーーツ!」



















ピシィッッイイイイ!!!





夏休みに入るまでに100人いた部員は4分の1に減っていったのであった。


らけっと

つづく(・・・かも。)