坂道 episode3
まるでコンパスを使って引いたかのような、その屋根の勾配。
その美しいフォルムは、これまで不可能と言われてきた、木材のみを使った構造で、ロングスパンの大空間を実現した。
しかも地元の間伐材を使用することで、荒れた山を再生し、地域経済の活性化に一役も二役も買っている。
ウッドマイルズの観点からもCO2の排出量を減らすことに貢献。
その竣工式には町長をはじめ多くの関係者が喜びの声をあげた。
森を守り、水を守り、町を守る。
しかし実現までの道のりは決して平坦ではなく、まるで坂道と崖っぷちの連続だった。
建築業界では冷笑を受け、
役所からは突き離され、
林業の現場からは罵倒を浴びた。
ぶつかり合う男同志の技と知恵。
そして夢または野望。
度重なる挫折。
何度諦めようと思ったことか……。
そんな活動を影でコツコツと支えてきたひとりの女性がいた。
そう彼女こそ………
………。
だ、だれやねんお前っ!!
※このおばはんは南京玉簾のおばはんであり、実在するSUDARE工法とは一切関係ありません。
SUDARE工法関係の皆様方におかれましては、悪ふざけがすぎましたことを深くお詫び申し上げます。