ことわざ

『Det finns inget dåligt väder bara dåliga kläder (悪い天気なんてない、悪いのは服装だけ)』

スウェーデンには、このようなことわざがあるらしい。

つまり、雨が降ろうが風が吹こうが、外気温が氷点下に下がろうが、鼻水垂れようが、おしっこが近くなろうが……服装さえキチンとした物を着ていれば、天気など関係ないということなのだろうか。

しかし、長時間に渡りレインウェアを着たときのあのべちゃべちゃ感だけはなんとかならないものだろうか?通気性を謳った物を購入してみても、長時間使用には耐えない。結局、レインウェアの内側はびちゃびちゃだ。

それともあれか?レインウェアの中でも5〜6万円するような最高級品は、そうでもないのだろうか?誰か、もし最高級品のレインウェアを持ってたら教えてほしい。

約20年前“フリース”が世に出てきたときの驚きを覚えていますか?アウター界に革命が起きましたよね?




そんなフリース的な出会いをレインウェア界に求めている。





ところで、僕もことわざを作ってみたんで聞いてください。




『家中(かちゅう)のチキン、渦中のチキンを笑う。』




これはですね、家から一歩も出ないチキン(臆病者)は、決して「チキン」と揶揄されることはないのに、得てしてチャレンジャーなチキンだけが「チキン」と呼ばれることに疑問を感じた僕が、世間に一石投じたわけですよ。

なぜなら僕はチキン。40年近く、危険な匂いがすることから、避けるようにして生きてきたのだ。しかし、何を思ったかそんな僕が40過ぎてからバイクの免許を取った。しかもオフロードバイクに乗って、野山を駆け回っている。


そしてバイク仲間と元クレー射撃場に出かけたとき、そびえ立つ崖を前に縮み上がっている僕を見て、「チキンやなー。」と冷やかされたのが始まりだったように思う。そのときの僕は、まだ二輪の免許を取って2〜3ヶ月。何のテクニックも会得しておらず、結局一人だけ崖に登りきることができなかったのだ。



チキン伝説の始まりである。



その後も事あるごとに、チキンぶりを発揮した僕は、不動の座を獲得した。

倒木の現場で、枝をはらうために木に登ったはいいが、高所恐怖症のため、木に身体の関節のありとあらゆるところを絡みつかせた日もあった。

僕のチキンっぷりはネタとしてあちこちで使われ、僕も調子に乗って「ト、ト、トサカに来たっー!」などと応じていた。




あるとき違和感を持っている自分に気づいた。その現場にいなかった奴からも「チキンいじり」されるようになってきたのだ。

え、えーと、君がもしそこにいたら、臆さずにいれたのかな?という疑問から生まれたことわざがこれなのだ。




『家中(かちゅう)のチキン、渦中のチキンを笑う。』




つまり、その現場にいた者だけが、そこにいたチキンを笑うことができるのでは?そしてなによりも本物のチキンは、初めからその現場にはいない。または既に、その現場からスタコラサッサと逃げ出してしまっているのではないでしょうか??部屋から出てこないチキンは、決して「チキン」と呼ばれることがないのは不公平なのではないのでしょうか????チキン界だけでなく、このような不条理なことは、世間のあちこちで行われているのです。




さて事もあろうに、ある誤解をきっかけにして、あるところでそのような積もり積もった疑問をぶつけるような発言をしてしまいました。








「チキンはエアコンの効いた部屋でチキってるんじゃない!現場でチキってるんだ!!」


そう叫んでいるときの僕には、自分がチキン界の最前線に立っているんだという自惚れがあったことも否めません。






結果……嫌悪感。






何に嫌悪感を抱いたのか?






自分の浅はかさにです。






なぜなら……





その僕の発言の数日後に行われたW杯予選「日本vsコートジボワール戦」を友人たちと一緒に観戦したときのこと。







オラッ!何やっとんじゃーっ!」






「チンタラすんなボケっー!






「交代や交代や!選手交代やっー!」






と、テレビを前に叫んでしまったのです。エアコンの効いた部屋の中から、高温多湿なブラジルへ向かって、僕は思いっきり叫んでしまったのです……。







もしコートジボワール戦で、僕が交代させられたとしたら、結果を残せたのでしょうか?初戦を突破できたのでしょうか??あのドログバを阻止することができたのでしょうか???



できるはずありません。ボールには一回も触ることなく終わったことでしょう。







だって……だって僕は、











リフティングが3回しかできないのだからっ!!



本田選手、香川選手そしてザッケローニ監督さん……本当にごめんなさい。





頑張れニッポン!