テレビ番組

このごろテレビ番組を見ていると、観覧席から上がる

「おーーーっ」

という声。

あれに、とても不愉快な気分にさせられる。


……え?

イマイチどんな状況かわかりにくいって?

この、

「おーーーーーーっ」

「おぉおおお」

というような、驚いたときに発せられるときの声ではない。「お」の発声量はずっと同じで、語尾に小さい「っ」が付き、2音上がる。

「おーーーっ( ⤴︎ )」

なんか挑発的というか、エラソーなのだ。そう、まるで上から目線で、

「おーーーっ(よう言うたな!)」

という感じの

「おーーーっ( ⤴︎ )」

なのだ。


テレビ番組の中では例えば、こういうときに使われる。

ミニゲームやクイズをクリアーしながらチームに分かれてポイントを競うような、このごろよくあるしょうむないテレビ番組で、ジャニーズのしょうむないイケメン風きかせたタレントYが……

「次はパーフェクト狙っちゃいまーす。」

カメラ目線のYは長い前髪を靡かせながら甘いマスクでそう宣言する。すると観覧客から……

「おーーーーーーっ( ⤴︎ )」

という声が上がるのだ。(よく通る女性の声の方がより前面にでて聞こえてくる。)


なんなんだろうこの違和感は?



これは例えば、まったく色気のなかったテニス部の後輩が、飲み会の席で

「今年は彼女作りますっ!」

と、いきなり告白したときに使われる

「おーーーーーーっ( ⤴︎ )」

なのである。




テレビ番組の中では、観覧客にいるみんなが声を合わせてこれを言う。ディレクターとかから、そういう指示が出ているのだろうか?


昔のテレビ番組は、観覧席からこのような

「おーーーっ( ⤴︎ )」

という声が上がることはなかった気がする。これではまるで観覧客のほうが格上かのように聞こえるのだ。いや僕は別にタレントの方が格上だと思っているわけではない。ジャニーズのイケメン風きかせたYのように、どうしようもなくしょうむないやつも多いが、そのしょうむないやつが出ているしょうむないテレビショーの “ 観覧席に座っているような、もっとしょうむないやつら ” に比べたら、遥かにYのほうが頑張っていると思うのだ。その頑張りには、少しばかりであっても敬意を払うべきだし、素人がタレントをいじるのは見ていてもあまり感じが良くないのだ。


もしも僕がYだったとして、

「次はパーフェクト狙っちゃいまーす。」

と、カメラに向かってかっこ良く宣言したあとに、

「おーーーーーーっ( ⤴︎ )」

と、観覧客が言おうものなら、

「は?誰に向かって言ってんの?」

と、キレるだろう。そして、続けてこう言う。そうだな、できればプライドの高そうな、観覧客の中でも一番綺麗なお姉さんに、(こういう子は今まで、周りからもちやほやされて育ってきただろうから、きっと言い返されることに慣れてないだろう。しかし、そんなことは関係ない。これは誰かが言わなければならないことなのだから……しかしこの子、かわいいな。よく見たら、まさかの反撃にあって、ちょっと涙目になってるじゃないか。でもね、言わせてもらうよ。今日という今日はね、さすがの僕も我慢ならないんだ。マネージャーには、あとで怒られるだろうけど、こんな状況がいつまでも許されちゃいけないんだ。)








僕は、長い前髪を靡かせながら甘いマスクでこう言う。














「収録終わったら食事でもどうですか?」







ってね。

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