キャンプファイアー

キャンプファイアーが嫌いだ。何を好き好んで暑い暑い真夏のキャンプ場で、デカい焚き火なんてしなくてはならないのか?夏場に、学校やら各種団体で、キャンプに行くと必ずと言っていいほど、キャンプファイアーがもれなく付いてきたが、これ楽しいの?って、ずっと思っていた。

 

しかも、キャンプファイアーときたら、先生らによってテキトーに班分けされて、班ごとに出し物をしなくてはならないことがある。そしてその出し物は、まったく練られてないから、面白くない。恥ずかしくて声も出てないから、見てる方も何やってんだかまったく分からない。いいよ。もう部屋に帰ってトランプでもやろうよ。と、ずっと考えていた俺だったな。

 

んで、それが終わったら今度は、フルーツバスケットだと?炎を囲んで輪になって?ハンカチを?後ろに置かれると走って追いかけるだと?この暑い暑い真夏のキャンプ場で?走るの?マジで?

 

ハァ……あれってさ、鬼に追いつくはずないのに、ハンカチ置かれたら、みんな必死になって走ってるのよね。意味ないよね。徒歩でもいいよね。だってどうせ追いつかないんだもん。汗かくだけ無駄。でも走っちゃう。おいコラ待てーっ!って感じで。顔は笑ってるんだよね。嬉しいんだよ。これだけたくさん人がいる中で、自分を選んでハンカチを置いてってくれたことが。嬉しくなっちゃうのよ。んで、待てコラーッ!!って、ついついニヤニヤしながら追いかけちゃ……い、言っとくけど、俺はそんなことで、イチイチ感情を表になんて出さないよ?あーやだやだ。なんで暑い暑い暑い暑い真夏のキャンプ場で、はしゃがなくちゃならないんだ。汗まみれになるし、蚊やブヨにも食われるし、楽しいことなんてなんにもないよ。早く帰って家でゴロゴロしたい気持ちでいっぱいだよね。ハンカチごときで、喜んでんじゃねぇよ。ふん。

 

 

 

んで、またみんなで歌う歌がヌルいんだこれが。

 

 

 

 


♪遠き山に日は落ちて

 

星は空を 散りばめぬ

 

今日のわざを なし終えて

 

心かろく やすらえば

 

風はすずし この夕べ

 

いざや 楽しき まどいせん

 

 

 

 

 

 

まどいせん〜

 

 

 

 

 

 

 

……?

 

 

 

 

 

 

まどいせん?

 

 

 

 

 

 

この歌ってさ、この最後にでてくる “ まどいせん ” の意味がまったくわからんので、イマイチ感情移入できないのよね。最後の最後で突き放される感じ?前半いい歌なのにね。もったいな……いや、別にジーンとなんか来てないよ?

 

 

 

 

そうそう、それであれだ。たいていキャンプファイアーの最後はこの歌で締め括るんだよな。
 

 

 

 

 


♪燃えろよ燃えろよ
炎よ燃えろ
火の粉を 巻き上げ
天までこがせ

 

 

照らせよ照らせよ
真昼のごとく
炎よ 渦巻き
闇夜を照らせ

 

 

燃えろよ照らせよ
明るく熱く
光と熱との
もとなる炎

 

 

 

 

 

 

 

気付いたら、俺は大熱唱していた。止め処なく溢れてくる感情をこれ以上抑えることなんてできやしなかった。そして、こう呟いていた。もっと!もっと火を!!パチパチとはぜた火が、空中に舞い上がっていったかと思うと、次々と闇夜に吸い込まれていく。ふと視線を感じて我にかえると、キャンプファイアーの炎ごしに、陸上部の奈帆子が俺のことを見つめていた。奈帆子は目を逸らさずに、まっすぐに俺を見つめ、その目の中には、メラメラと大きな炎が燃え盛っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、夏の終わりにひとつの小さな恋が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


って、これ何の話やねんっ!!!

 

 

終わり

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