モノマネ番組

いつも必ず観ているわけでもないのだが、モノマネ番組がけっこう好きだったりする。しかし最近、モノマネ中に背後からご本人登場が、当たり前になりすぎていないか?

こないだやってたモノマネ番組なんて、テレビ欄を見て驚いてしまった。「ご本人が続々登場!」だって……!?




かつて美川憲一のモノマネをするコロッケの後ろから、美川憲一ご本人が現れ、そして研ナオコのモノマネをする清水アキラの後ろから、研ナオコご本人が現れたこと(いや、研ナオコは司会者をしていたか?)が、ご本人登場パターンの走りだったように思うが、これは観ていてだいぶ面白かった。



しかし最近やたらと、このフォーマットを濫発させすぎなのだ。なんでもかんでも、ご本人登場させてしまっては出来レース感がハンパない。特にクオリティ高めのモノマネに対して、ご本人登場させても何も面白くない。モノマネで出演しているタレントさんたちは、必死になってモノマネの練習をしてきただろうに……「聞いてないよ。」「怒られちゃうよ。」という芝居をすることにも労力を割かなきゃならないのがキツそうだな……と見ていて思う。

あんた、さっきからモノマネしながら「ご本人が来るかもしれない。」と、心の中では思ってたでしょ?





モノマネ番組の審査員たちも、ご本人が歌ったあとに、いちいちその歌唱力に驚いたふりをし、さらにモノマネのタレントが歌ったあとにも「ひゃあー似てるねー。」というリアクションをとっているようにしか見えない……もうね、見てて面倒臭いのよ。だって、実際に並んで歌わせてみると、そんなに似てないじゃん?

審査員席にいる野口五郎が、ヘッドフォンの片耳だけつけて、聴きこんでは感心しているふりしているのも見飽きたのよ。



そもそも僕は懐メロが聞きたくてモノマネ番組を見ているわけではない。ただモノマネが観たいだけなのだから、そこにご本人はいらないのだ。そして僕はクオリティの高いモノマネにも全く興味がない。では、モノマネ番組の何が僕を引き付けるのか?僕が見たいのはとことんデフォルメされ、悪意に満ちたモノマネだ。そして、その悪意に満ちたモノマネに対して、天誅とも言える “ ご本人 ” をここぞというタイミングで “ 登場 ” させてもらいたいのだ。

認めてしまおう。僕はドッキリ番組もけっこう好きなのだ。いや、日本人の多くがきっと大好きなはずだ。これは、ドッキリとモノマネと歌謡曲という、日本人の大好きな三大コンテンツの夢の共演なのだ。面白くならないはずがない。

だからこそ、ご本人登場のフォーマットはマンネリ化させず、大事にしてもらいたいものだ。と、思っている。