初めてのレース

今年は人生で初めてのダートバイクでエンデューロ(という長距離を走る)レースに参戦したので、ちょっと書いておきたいと思う。

若いころにはバイクになんてまったく興味を持たなかったこの僕がである。そして間も無く42になるこの僕がである。

結果は、まったく振るわなかったが、速く走りたくてやっているわけではないので全然いいのだ。

よく言われる。「そんな危ない遊びしてから、怪我でもしたらどうするの?子供もいるんでしょ?」と……しかし僕はすかさずこう答える。

「危険度でいうとスキーやスノボとそう変わらない。」

このように言うと、

「エーーッ!そんなんぜったい嘘やん。」

と、決まってこう言われる。

そして、どれだけ力説しても納得してもらえない。僕は思う。なぜダートバイク乗りにはやめろと言って、スキーヤースノーボーダーにやめろと言わないのか?ダートバイクで凸凹した土の上を走るだけである。そんなにスピードも出ていない。いつ誰が飛び出してくるやもしれないアスファルトの上を走ることに比べたら、まったく危なくない。オンロード(公道)でのバイクやサーフィンは下手したら死ぬことがあるかもしれないが、ダートバイクは運が悪ければ骨折するくらいだ。(……多分。)


なのに、ときに僕らは野蛮人扱いされる。バカのやる遊びだと思われる。後者に対して異論はないが、野蛮人にダートバイクは乗りこなせない。なぜならとても繊細なテクニックを必要とする乗り物なのだから。




とても繊細なのだから。



まぁ、だいたい「バイク」と聞いただけで、すでに眉を潜めている人もいるので、そういう人にいくら言葉を尽くして説明しても伝わるはずがないのだ。僕も2年前まで、そっちの人だったからよく分かる。でも実際乗ってみたら、案外そんなことないなー、誤解していたなーと思ったので、こうしてダートバイク擁護についつい力が入ってしまうのだ。


さてレースの話である。


“2014.12.14WEX R-3プラザ阪下”

愛車の橙セローちゃんのセルスターターが不調のまま挑んだのが、当然ながら仇となったレースであった。

不思議と緊張のようなものはなかった。レース開始早々は、出遅れてしまったものの、すぐのガレ場(石がゴロゴロしている場所)で、もたつく選手たちを追い越し(実は前日に下見をしたときから、ここでの巻き返しを狙ってたので、うれしかった。普段ガレ場ばっかり走ってるから、得意なのだ。)、その後は、いい調子で3周目くらいまで緑セローと3位争いをしていた。しかーし、調子にのったらやはり何かある。前方を走るブインブインのレーサーに、「俺、結構いけるんちゃうん?」と、勘違いしてついて行ってしまったのが運の尽き……コーナーで転けてしまったのだ。

覚悟していたとはいえ、キックでしかエンジンをかけられないのはほんとに辛かった。後ろから誰も来なくなってから平坦な場所までバイクを移動して、蹴りに蹴るがなかなか始動してくれない橙セローちゃん(泣)。

「おちつけーおちつけー。ふしゅーっふしゅーっ。」とブツブツつぶやきながら、全然落ち着いてないことも存分に自覚しつつ、最大限に焦りながら(笑)なんとか始動……それからというもの完全に日和ってしまい、「もう2度と転け(蹴り)たくない。」としか考えてなかった。つまり後半は流してしまったのね。今回のレースは、普段通りのライディングができなかったのが最大の悔いです。(普段通りとか言っても、そんなにたいしたこと出来ないんだけどね。でも、ほんとはもうちょっとだけ出来る子なのよあたい。)

もったいないことしたなぁ。

あと、90分走り続けるというのは、やっぱりしんどい。疲れで判断力鈍る。長い坂のてっぺんで前がつかえてたので、ブレーキかけたらそのままエンスト……なんでやっ!?と思ったらクラッチ握ってないのね(笑)登り坂の途中でまたエンジン始動のため蹴るハメになるが、左足がピキーンと、つって泣きそうになる。

結果はクラス順位7人中5位。

総合順位は47人中43位。

別に順位なんてどうでもいいのだが、自分のベストランができていればもう少し奮ったのではないのかという悔いが残る。

レースが終わりヘトヘトだったが、昼からはマナブスクール(2014JNCC全日本チャンプ渡辺学さんによるライディングスクール。渡辺学さんは、普段「マナブ餃子」を販売して生計を立てている。)に参加した。

これマジハンパねぇ価値あった。日本一のターンをみんなの目の前で見せてくれたプレシャス。日々、ギョーザを包みながら、勝ち上がったその執念マジリスペクト。

なんでラップ調やねん!しかもまったく韻も踏めてないしやな……。

と、とにかく色んなターンとその練習の仕方を教えてくれたYO!


そして総括……





こんなおもろい遊びは他にはないっ!!



もっと楽しむために、これから春に向けての課題は、チャンプから学んだ「色んなターン」を身につけることと、「体力」を身につけること。この2本柱で、張り切ってトレーニングしていきたいと思っています。

あ、あとレース中にイラっとしたのがさ、途中後ろからすんごい煽ってくる奴がいたのね。「やだなーやだなー。」(←稲川淳二風)と思いながら走ってたのよ。やっと少し広くなったストレートに出たので道譲ったら……マーシャル(※)やねん!














ずこーーーっ!


※ マーシャルとは、レース運営をスムーズに行う為に活動するコース係員のこと。しかしあの日あの寒い中、マーシャルさんにおかれましては、スムーズなレース運営のために走り続けてくださって、ほんとにありがとうございました……マジリスペクトするYO!