コール&レスポンス

「みなさんどうかぼくらに力を貸してください!」 「そんなんじゃ足りない!もっと大きな声で!」 それらのセリフが主役たちの口から出るのは、その日すでに2回目だった。さきほどショーの中盤にも同じようなコールアンドレスポンスをステージ上から要求され…

双眼鏡ノススメ

その日、私にとって革命が起きた。双眼鏡の話だ。その日は息子の通う小学校の運動会だった。誕生日のプレゼントに、妻に買ってもらった双眼鏡を使ってみて驚いた。これまでのカメラを片手に持ち、やれ動画だのゴールの瞬間だのと立ち回っていたときには、決…

あなた

これまでに2度の水没にもめげずにいたあなたは、今朝ついに息を引き取ってしまいました。死因は……そう水没でした(涙) 1年前、あなたは夢前川のせせらぎに5分以上潜っていましたね?いつの間にか胸ポケットから滑り落ちていたあなたの不在に気付いた僕は、た…

エアコン紛争

※このブログはフィクションでもあるがノンフィクションでもある。登場する人物や団体は実在しないが、導き出した結論はすべて事実であり……いや、あなたにとってはフィクションに映るかもしれない。しかし、わたしにとってはノンフィクションであり、つまりあ…

書くことについて

“書くこと” の師匠から文章を褒めていただいた。1年前にブログを始めたのも師匠の影響だ。僕が勝手に師匠と仰いでいたのだが、その心の師匠が、「お前のブログはとてもおもしろい。」と言ってくれた。師匠はいつも僕のブログを楽しみにしてくれているらしく…

モミアゲ

俺がヘアースタイルを丸坊主にしだしてから約6年が経つ。18年前に酷い目にあってから、理容室に行くのには抵抗があった。かと言って美容室に行くのにもだんだんと面倒臭さが募り、ここんところは自宅で丸刈りにしていたのだ。生まれながらにしてモミアゲの薄…

コカコーラのJUNちゃん

昔お世話になった人から、久しぶりに誘われて飲みに行った。小料理屋で軽く御飯を食べてから、連れて行かれたスナックで“ コカコーラのJUNちゃん ”と呼ばれるカラオケの達人と出会った。 とにかく歌がうまい。 レパートリーは2000曲くらいあるらしい。焼酎の…

沈下橋

数日前までしつこく降った雨で増水した川は、轟々と波しぶきを上げていた。「あの沈下橋で、2人死んだんだよねー。」その重たい内容とは裏腹に、のんびりと間のびした口調で話すレンタルカヌー屋の平さんが指を差した先に、その沈下橋があった。沈下橋とは地…

選挙

選挙のシーズンが来るたびに、僕には思い出す人がいる。あの人は今、いったいどこで何をしているのだろうか? その人の名は“馬場一郎” そうあれは確か、僕らが小学1年生のころ……双子の兄や近所の友達たちと自治会館の前の公園で遊んでいた。すると、突然あの…

ことわざ

『Det finns inget dåligt väder bara dåliga kläder (悪い天気なんてない、悪いのは服装だけ)』スウェーデンには、このようなことわざがあるらしい。つまり、雨が降ろうが風が吹こうが、外気温が氷点下に下がろうが、鼻水垂れようが、おしっこが近くなろう…

GP

GPが嫌いだ。奴らは隙を見つけては忍び寄ってくる。なぜあんなものがこの世に存在するのか……まったくもって理解不能である。いらないものランキング、ぶっちぎりで第一位である。いやもう40年間連続第一位のすえに殿堂入りである。しかし奴らは油断すると、…

声を大にして言いたいわたしは鳩が嫌いなのだから

わたしは鳩が嫌いだ。わたしの家の駐車場には屋根がなく、愛車の上へ、鳩にフンをされることがしょっちゅうある。駐車場の真上に位置する電線に止まっている鳩を見るたびにわたしは、「おまえかっ!? 」「それともそっちのおまえかっ!!」 と睨みつけてか…

新ルールの提案“ピンポン編”

ピンポンって面白いよね。卓球台なんてなくったっても大きめのテーブルがあればできるよね。あとはもちろんラケットとピンポン玉ね。ネットは使わなくなったビデオテープを並べるとちょうどいいんだよね。でもピンポンってさ。実力の差が顕著に現れるんだよ…

発表します

中学生になって、どんな部活に入るのかと思っていた息子のアラタくん。 なんと剣道部に決めたそうです。 ところで……7人家族で4人兄弟の末っ子としてこの世に生まれ落ちた僕は、常に油断も隙も無い弱肉強食の世界で育ちました。着せられる服は、いつもお下が…

短編小説『佐藤』

佐藤は平凡な大学生だった。佐藤は、どこにでもいるような顔をしていて、人からよく、親しみが持てる顔だと言われることが多かった。しかしそれは褒めているわけではなく大抵、「従兄弟に似ている」だとか、「中学校のときの同級生に似ている」だとかが、そ…

トレンチ高校生

近所のスーパーマーケットへビールを買いにいく。一昨日から嫁が子供を連れて実家へ帰っているので、しょんみりひとり酒といこうと思っていた。僕はスナック菓子をアテに、ビールを飲むのが好きなので、さっそくお菓子コーナーへと歩を進める。最近のスナッ…

リンク

僕が40になってから始めたことに、“オフロードバイク”と“合気道”の二つがある。 さて…… どちらも面白くってしょうがない。オフロードバイクも合気道もそれぞれに、教えるのがとてもうまい指導者に恵まれたということも多いにあると思っている。が、なんとい…

KRC

僕の住む町に流れる“加古川”の河川敷には普段、犬の散歩をしている人やジョギングをしている人がたくさんいます。通学路にもなっているようで、高校生が自転車で爽やかに駆け抜けていったりもする。僕が属する“LJ加古川オフロードバイク部”は、そんな市井の…

イタチ

「ぼくええのん見つけたなぁ。」アラタが校庭の片隅で見つけたイタチの死骸を5つ年下の弟に自慢していると、グランドの脇でポプラの木を切っていたおじさんが話しかけてきた。「こんなん好きなんか?」おじさんはアラタが恐る恐る指先でつまみ持っていたイタ…

ホクロ

僕は双子だ。しかも一卵性双生児というやつで、特に小さい頃は本当に瓜二つだった。今、小学生やそれより小さい頃の写真を見てみると、自分の目ですら僕ら二人を見分けることには困難を極める。 ほらこの写真なんて、まったくのお手上げだ。これは盆踊りのと…

牛乳

牛乳を飲もうとして、僕はお気に入りのコップを食器棚から引っ張り出し、食卓の上に置く。よっこいしょと冷蔵庫から重たい牛乳を取り出し、コップに注ごうと振り返ると、 コップはそこにない。 なぜなら僕の母はものすごくせっかちで、食卓の上に置いたまま…

運行管理者

運行管理者という資格がある。運行管理者とは、バスやタクシーそしてトラック会社で運転手さんの点呼や乗務割りをするなどの他、全般的に運行の安全を確保するための業務を行う。時と場合によっては指導や監督も行う。中には海千山千の運転手さんもいらっし…

夜行バス

東京へ出張した帰り道、僕は久しぶりに夜行バスに乗った。20代のころにも東京から神戸への夜行バスに乗ったことがあるが、狭くて寒くて一睡もできなかった思い出がある。しかし今回、僕が夜行バスを選んだのは「3列独立ゆったりシート・トイレ付・毛布付」…

イリュージョニスト

お正月。あるニュース番組の中で、かのイリュージョニストのプリンセス天功さんへのインタビューをやっていた。パーソナルなデータの一切が非公表な天功さん。日本ではテレビでの露出は、あまり多くない天功さんですが、以前からなぜだか気になる存在なんで…

理容室マミ

その日僕は、ある理容室の扉を開いていた。頭を丸坊主にしている僕は、たいてい自宅でバリカンを使って簡単に散髪を済ましてしまうことが多い。前の方を自分で行い、後ろの方を妻にやってもらうのだ。しかしその日に限って理容室へ行ったのは、車に乗ってか…

㊙︎情報

職場になんでもすぐに「知っとる知っとるで。」と言う係長がいる。まだ僕しか知らないはずの㊙︎情報もこの人にかかれば、「知っとる知っとる。」ということになってしまう。 またこの人に、ちょっとした相談をしたら「わしが言うとくわ。」と言うのだ。 まぁ…

サンタクロースへの質問

それは去年のクリスマスイブの前日の話……事件は突然起こった。長男アラタくん(小5)が、物置になっている部屋で、騒いでいる。どうやら嫁が隠していたプレゼントを見つけて大騒ぎしているようだ。嫁は焦ったが、いやいやまだ誤魔化せるはずだと踏み、「こ、こ…

坂道 episode final

どこまでも続く坂道をトラクターで登りながら僕は呟いた。「あぁまたやっちまった。」昔から勢いだけで行動してしまうのが僕の悪い癖だ。大学4回生のとき、僕には好きな子がいた。Z子はよく通る大きな声で笑い、まるでゆで卵のようにほがらかだった。そんな…

悪質なイタズラ

嫁の自転車が2ヶ月の間に3回もパンクした!!イタズラか?はたまた恨みのセンなのか?それとも妬みか?ただの妬みなのか?いずれにしても腹立たしいことこのうえない。それに今後イタズラがどんどんエスカレートして、バイクや車もパンクさせられた日にゃ…

坂道 episode4

病院まで続く坂道をうつむきながら歩く僕の足取りは重かった。季節外れの風邪をこじらせた母が、入院してから早くも一週間が経つ。それにしても憂鬱だ。僕には好きな女の子がいた。同じ塾に通う和美だ。和美は猫っ毛で、笑うと八重歯がニョキっと出て可愛い…

坂道 episode3

まるでコンパスを使って引いたかのような、その屋根の勾配。その美しいフォルムは、これまで不可能と言われてきた、木材のみを使った構造で、ロングスパンの大空間を実現した。 しかも地元の間伐材を使用することで、荒れた山を再生し、地域経済の活性化に一…

坂道 episode2

境内まで続く長い坂道を自転車降りずにどこまで登っていけるか?いつも結果が決まっているので、すぐに諦めてしまう僕は、友達のBの背中を追いかけていることが多い。去年も一昨年もマラソン大会をぶっちぎりで優勝しているBには、まったく追いつけそうも…

坂道 episode1

学校までの長くて急な坂道を自転車降りずにどこまで登っていけるか?いつも結果が決まっているので、こういった勝負事はすぐに諦めてしまうはずの友達のAが、今日は珍しく先導して坂道を登って行く。その背中には何やら気迫が満ちていて、いつものように負…

百足

ムカデは人を噛む。例えそれが寝ている人間であっても噛みにくる……こちらが攻撃も何もしていないというのに!!てことはですよ?奴らはわれわれ人間を完全に舐めてるんじゃないでしょうか!?……い、いや、ひょっとしてがっつりした食糧だと思ってるんではな…

ケツ

教師からの体罰が横行していた中学時代。http://hagurerere.blog.fc2.com/?no=5 横行していたのは、教師からの体罰だけではなく、先輩からの理不尽な体罰も横行していた。僕らが所属していた軟式テニス部には、代々受け継がれてきた技(?)があり、それは、「…

あるある?

工場近郊に住む僕の鼻毛はよく伸びます。もちろんハナクソも、とてもよく溜まります。みなさんハナクソって、いいのがとれたら指先で丸めてしばらく転がしてることってありませんか? あれってなんともいえない気持ちよさがありますよね?(え?知らんて?で…

おしお

今年は忙しくて行けなかったが、毎年川遊びキャンプに行くお気に入りの場所がある。そこは浅いわりにけっこうな流れがあり、ウォータースライダーさながら泳いだり、滝滑りや滝壺ダイブなどもできる。土日には人が溢れるが、平日に休みをとって行くぶんには…

へそのゴマ

小学生のころ、へそのゴマを取っていたら「おヘソは触ったらアカン!お腹痛くなるで!」と、母によく言われた。すると本当におなかが痛くなってきたもんだから、(多分きたない手で触っていたのだろう)僕はへそのゴマを取るという習慣がないまま成人した。 …

むじ

MUJIへ行った。レジ近くの棚で商品を見ていたら、レジにいる女性客の声が聞こえてくる。「店員さんめっちゃオシャレですよねー。」「前からずっと思ってたんですぅー。」「着こなしもすごくいいですよねー。」こちら側からレジの方は死角になっていて、二人…

the Goofys

新バンドの名前が、“元祖天然バカボンズ”改め“the Goofys”に決まりました。goofyといえば、おなじみディズニーのキャラでもありますが、彼にはまったく興味はありません。 goofyには「とんま」「間抜けな」って意味がある。最初は、“元祖天然バカボンズ”だか…

中2男子のトキメキ五寸釘[最終話]

さて、シャイでウブな中2男子にとってバレンタインデーは、なるべく係り合いたくない日だった。決してモテたくないわけではなかったが、双子の兄に見つかったりした日にゃあ一気に奈落の底に落ちる危険性があるのだ。(一卵性双生児の僕らは当時、ちょっと…

中2男子のトキメキ五寸釘[第一話]

あれは僕がシャイでウブな中2男子のとき。同じクラスの本橋エリ(仮名)ちゃんに恋をした。そう、うれしはずかし初恋の思い出なのだ。 エリちゃんとは、なぜだかよく席が隣りになった。今考えれば、このころに僕はくじ運を使い果たしたのだろう。それ以降の…

男が丸坊主になる7〜8つの理由

昔から床屋に行くのが苦手だ。いつも3〜4ヶ月くらい、伸ばしに伸ばしてから、しょうがなしに髪を切りに行く。なんで好きになれないのだろう……時間がもったいないと思うのも、その理由のひとつだし、大きな鏡の前に長時間座らされるのも堪え難いことだ。しか…

サービスエース

中学高校と合わせて6年間双子の兄とテニス部でダブルスを組んでいた。顔だけではなく、技量も同じのため仕方がないといえば仕方がないが、このペアリングはどう考えても顧問の先生の面白半分で決められた気がする。 ところで今、振り返って考えてみると中学…

ピコーンピコーンピコーン

何かの機会に、自分と同世代の人と話をするとき僕は、なるべく最初の方の段階で、年齢を言うことにしている。というのも僕はとても童顔で、40歳になった今でも30歳前後に見られることが多い。だから僕の年齢を聞いた人は、たいていびっくりする。 しかし僕は…

ヨンテンニーハチ

気がつけば、あの日から2ヶ月が経とうとしている。あの日とは、屋島の山の中でバイクですっころんだ日のことだ。その日僕は、バイク乗りが山でやってはならない「谷側に足をつく」ということをやってしまい見事にズッコケたのだ。そしてそんなときに限って、…

続ゾクゾクゾク

そのときは突然、やってきた。その日、授業が終わった僕らは、いつものようにテニスコートにいた。中体連の試合も終わり、顧問のノノムラ先生が休みのため、僕ら軟式テニス部の部員は、いつもの役割分担である前衛と後衛を交代して、勝手におもしろトーナメ…

ゾクゾクゾク

あれは中学生のころ。僕の通う学校では、体罰が横行していた。ビンタ、グーで殴る、髪の毛掴むなどなど……教師たちはことあるごとに、たいした理由などなくとも生徒たちをシバいていた。とても自由にシバいていた。 僕はテニス部だった。ある日なんてテニスコ…

チッチッチッ

原付バイクで公道を走っていると、時々、僕の前を走っている車の運転手に幅寄せされることがある。おそらくだが性格の悪い運転手だ。例えば片側一車線の国道を何台かの車の後ろについて、原付バイクで走っていたとして、200m先の信号が赤になったら……その(お…

コンコンコン

必要ですか?未だに公衆トイレで個室に入っていると、ノックしてくる人がいます。あれって必要ですか?個室ってのは内側からロックかけたら外側はドアノブのところが赤色になっているはずなんです。多分ほとんどのトイレがそういう構造になってますよね?み…